保育士試験の受験科目と合格基準

保育士の資格取得には、どのような科目があるのでしょうか。保育士の国家試験は、科目の数も非常に多く、難易度の高い試験です。そのため多種多様な勉強をしなくてはなりません。受験科目には、社会福祉、児童福祉、発達心理学及び精神保健、小児保健、小児栄養、保育原理、教育原理及び養護原理、保育実習理論の8科目があり、1科目あたり満点の6割以上を正解することが合格の基準です(発達心理学及び精神保健、教育原理及び養護原理に関しては、2教科の合計点数ではなく、それぞれ満点の6割以上です)。

また、筆記試験に関しては、一部科目免除という制度があり、一度合格した科目は翌々年まで持ち越しができます。筆記試験に合格すると、後日実技試験として保育実習実技を受験します。保育実習実技には、音楽、言語、絵画制作の3分野があり、この中から2つを選択する形となります。こちらも合格は満点の6割以上ですが、筆記試験と違い、翌年以降に持ち越すことはできません。

試験に合格

このように、保育士の資格を取得するのは容易なことではなく、多くの人が数年かけて合格を手にしているのが現状です。できるだけ早く資格を取得するためには、自分なりの勉強方法やコツを見つけ、集中できる時間や環境を作ることも合格への大切な要素でしょう。

 

各実技試験の要点

保育士の国家試験には、筆記試験に合格した後に「保育実習実技」という実技試験があります。これは、「音楽」「言語」「絵画制作」の3分野があり、受験者はこの中から2つをあらかじめ選択しておき、受験に備えます。

具体的に「音楽」は、あらかじめ指定された2つの課題曲をピアノ等で演奏しながら歌う、弾き歌いです。伴奏は、市販の楽譜のものを演奏するか、コードを用いて編曲したものを演奏します。幼児に聞かせることを想定して、明るく元気に弾き歌いを行なうのがポイントです。

「言語」は、あらかじめ各自で用意した童話や民話、神話等を自分の前にいる20人程度の3・4・5歳児に聞かせているという想定で3分間口演します。幼児の対象年齢は、当日試験官に指示され、絵本や紙芝居、人形等の道具は一切使用できません。それぞれの対象年齢に合わせた話を用意し、優しく聞き取りやすく話すのがポイントと言えるでしょう。

「絵画制作」は、「保育所(園)での子どもと保育士との生活や遊びの一場面を表現する」という課題で絵画を制作します。試験当日、表現に関する条件を提示され、鉛筆と色鉛筆のみで時間内に制作します。制限時間は45分です。時間内に制作するには、事前に時間を計りながら何度も練習することをおすすめします。

 

試験当日へ向けての要点や準備

試験当日

保育士の資格は国家資格です。チャレンジできる試験は年に1回!受験するために必要なことや、受験当日に気をつけること等を簡単にまとめてみました。

試験は毎年真夏の8月に行なわれます。多くの会場が大学などの学校を使用しての試験です。会場によってはエアコンが効きすぎて寒すぎたり、逆に全く効かずに暑すぎたりして、試験そのものに集中できなかったという声も多く聞かれます。可能であれば、自分の受験する会場についての情報を、受験したことのある人やインターネットなどで調べておき、体温調節ができるよう、羽織ものや冷却シート、飲み物などを用意しましょう。

また、たくさんの教材や資料を持ち込むのも重くて大変です。受験日間近のラストスパートで、各科目の総まとめをノートなどに書いて作っておくと、休憩時間に目を通すのも簡単で便利です。

受験票や筆記用具、時計なども絶対忘れてはならないものです。鉛筆も複数本ちゃんと研いであるものを用意しましょう。受験には体調が何よりも大切です。体調には充分気をつけて、会場にギリギリに到着するようなことにならないよう、当日は余裕を持って早めに出かけ、会場では勉強したことを充分発揮できるよう落ち着いて受験しましょう。

 

合格後の進路

保育士の試験に合格し、国家資格を取得することができた場合、進路としてどのような就職先があるのでしょうか。多くの方が保育士と聞いて連想する就職先は「保育園」だと思いますが、その保育園にも「公立」「私立」と「認可」「無認可」などの種別があり、更にその他の就職先として挙げられるのが「児童福祉施設」です。

その児童福祉施設の中でも、保育士を置くように児童福祉施設最低基準で定められている施設が「保育所」「児童養護施設」「知的障害児施設」「知的障害児通園施設」「盲ろうあ児施設」「肢体不自由児施設」「重症心身障害児施設」「情緒障害児短期治療施設」です。

このほか、現在、少子化でありながら、働くお母さんが増えているなどの理由から、保育士は様々な場所で求められています。企業内託児所や、病院の院内保育所やキッズルーム、ベビーシッターの派遣会社やプレスクールなど、今後も更にその範囲は広がると言われています。

様々な分野、場所で必要とされていくであろう保育士の国家資格を取得することができれば、多くの活躍の場があり、子ども達と触れ合いながら、共に学び、成長を実感できる日々も夢ではありません。

 

公立保育園の保育士

保育士の国家資格を取得し、保育士として社会で活躍される人の多くが「保育園」で働いています。保育園には「公立保育園」「私立保育園」更に「認可保育園」「無認可保育園」がありますが、中でも収入などの待遇も安定いる「公立保育園」はやはり人気です。

しかし、公立保育園で働くには、まずは「公務員試験」を受験して合格しなければなりません。公務員試験は、一般的に面接を含む二次試験や三次試験まで行なわれることが多く、非常に難易度の高い試験です。試験の内容としては、一次試験で「一般常識」これは、高校卒業程度の学力が必要で、国語・数学・社会等のほかに、美術や物理等広い範囲から出題されます。現役から離れて時間が経った人ほど大変だと思いますが、一から勉強するのは大変ですし、公務員試験の専門学校や、参考書等で勉強されると良いでしょう。

また、専門分野の知識として保育士に関する問題も出題されます。更には小論文で、これは二次試験に出題される自治体もあります。二次試験以降は実技試験として、読み聞かせやピアノ、弾き語り、制作等で、これも自治体により違います。最後に三次試験で面接です。二次試験に面接が行なわれる場合もありますが、その人の適正等を面接官により判断されます。

難関ではありますが、安定した職場で安心して働けるという最大のメリットがある公立保育園の保育士です。機会があれば受験してみるのもいいかもしれません。尚、試験内容や合格率、応募資格などは都道府県や市区町村によって違うため、受験したい場所の募集要項をあらかじめ調べておくことが必要です。