酒に溺れる母。若すぎる夫。

私が保育士として今まで仕事をしてきて、いわゆる【幼児虐待】というものは、何回も見たことがあります。今回は、私が実際に見た幼児虐待の実例を元に、今現在問題になっている幼児虐待について考えていきたいと思います。

洋平君4歳。
彼の母親は18歳から水商売で働いていました。母親が21歳の時に、夫18歳と結婚。彼の母親は育児のストレス等でいつも酒を飲んでいました。

ある日の事です。 洋平君が顔に痣を作って保育園に来ました。
洋平君に、「その痣どうしたの?」と聞くと、「悪い事したから、叩かれた。」
そう答えるのです。

親の暴力

詳しい話を聞いてみると、父親は毎日遊び歩き家に帰って来ないで、母親はそのストレスから毎日酒を浴びるように飲んでいるそうです。 先日、園で遊んだ時に泥が服に付いてしまい、それを見た母親は激怒。洋平君を叩いたそうです。

その事を園長に報告して、後の事は園長に任せました。私が初めて目にした、幼児虐待の現状です。

母子家庭の悲劇

有希ちゃん。4歳。

彼女の家庭は母子家庭で、母親が19の時に離婚。 結婚生活は1年と持ちませんでした。有希ちゃんは普段から男の子でも、女の子でもぶつ事が多くあり、注意している子供でした。

ある日、有希ちゃんが男の子をぶって泣かしてしまったので、こう聞いたのです。
「何で誰でも叩いちゃうの!?ダメでしょ!」

すると、彼女はこう答えました。
「私だって悪い事したら叩かれるもん!私が嫌な事をされたら、叩いてもいいんだもん!」

何でも、彼女は日常的に母親の気に障る事をすると叩かれていた様です。 背中には幾つものミミズ腫れが。 ハンガーで叩かれる事が多く、その母親の真似をして有希ちゃんもハンガー等でお友達を叩く様です。

母子家庭。その内情は様々ですが、親の真似を子供はします。 家庭内暴力を受けていた子供は、将来親になった時に、家庭内暴力を与える。 そう言われる理由が、はっきりとわかりました。

言葉の暴力

これは私の同僚保育士に聞いた話です。

幼児虐待は殴る・蹴るが多いかと思いますが、言葉の暴力というものもあります。同僚保育士が担当していた子供の1人が、とても甘えん坊なんだそうです。
同僚が、「○○ちゃんは甘えんぼさんだねぇ~」と聞くと、こう答えました。

言葉の暴力

「ママは優しい事言ってくれないから…。」

その子はとても寂しそうな顔をしていたそうです。 詳しく話を聞くと、その子の母親は事故で障害を持っており、歩けないらしいのです。 そして、そんな母親の世話をしているのですが、お茶をこぼしたり、甘えたりすると、「あんたなんか生まれてこなければ良かった!」、「使えない子供だね!!」等と、私達大人が言われても傷つく事を日々言われているそうです。

その子の現在は詳しく知りませんが、肉体的なダメージだけで無く、精神的にもダメージを与える幼児虐待の問題。私達大人は、この問題をもっと真剣に考えなければいけません。

幼児虐待について、真剣に考える

幼児虐待。皆さんはなぜ起こると思いますか? 私達保育士は、子供の健全な成長をサポートする仕事です。
ですので、暴力など、絶対に許されませんし考えられません。それが実の子供だと考えれば、尚更の事だと思います。

さて、ではなぜ実の子供に暴力を振るう事が出来るのでしょうか?
私の考えです。

今の団塊の世代の子供達が、いわゆる子供に暴力を振るう大人達です。 この団塊の世代。日本の成長の大きな役割を担ったのはもちろんですが、現在の腐敗した日本を作り上げたのも、この団塊の世代だと思っています。

仕事に追われ、子供に愛情をかけずにただ育てる。
子供は非行に走り、若くして妊娠。結婚。
いきおいで出来た子供なので、愛情を持つ事は出来ず、他人扱い。
そして、暴力。

この流れが、幼児虐待の例としては最も多いかと思われます。

幼児虐待を今後減らしていく方法は、私達が真剣に子供の事を考えて、しっかりと子供を育てる事だと思います。それ以外の方法はありません。

この文章を読んでいる皆さん。
そして、今お子さんがいる方。もう一度自分の子供に対する愛情を確認して下さい。
そして、抱き締めてあげて下さい。
子供を大切にする気持ち。
子供は、それを自然に感じ取ります。

親が子供を想ってくれる事が、子供にとっては最も嬉しい事なのです。